リープフロッグ現象(leapfrogging)

「リープフロッグ現象(leapfrogging)」

データ活用やDX成功に必要な考え方を、各種キーワードの解説で理解できる用語解説集です。
今回は、デジタル時代において世の中が変わるときに、実際の変革はどのように起こるかについて考えてみましょう。

リープフロッグ現象(leapfrogging)とは

リープフロッグ現象(leapfrogging)とは、タイムリープ(時間を飛び越える)などと同じ「リープ」(跳躍)とカエルの「フロッグ」をあわせた言葉で、カエルがジャンプするように一足飛びに進歩や進化が起こることをそのように呼びます。
発展途上国の技術発展などで見られる現象として知られます。成長が見込まれる発展途上国が未来の巨大市場として注目されていること、およびイノベーションがどのように起こるかについて考える例として、話題になっている言葉です。

「リープフロッグ現象」とは具体的にどのようなものか

リープフロッグ現象とは、カエルがジャンプする様子を比喩にして、「一足飛びに進歩や進化が起こること」のことであり、先進国からみて発展の中間段階が飛ばされるような、発展途上国などにおいて先進国とは違う形で技術の普及などが起こる現象のことです。

途上国で実際に発生した現象が意外だったことから生まれた言葉なので、「一足飛び」「中間段階を飛ばす」とはどういう現象なのか(あるいはどういう意外性なのか)、まず具体例を紹介します。

通信技術での例

発展途上国ではイメージと違って新しいITが予想外に普及していることがあるのですが、先進国における技術の普及、あるいは我々が通常考えるような社会における技術の発展とは、普及の順序や進化の進み方が大幅に違うことがあります。

例として、「通信技術の発展」について考えてみましょう。原始的な情報伝達しかなかった社会に、電信技術が登場して国土全体に通信網が張り巡らされて電報が使えるようになり、次に電話回線が整備され、固定回線でのインターネット接続が整備され、さらには携帯電話が登場し、それからスマートフォンの時代になるような「我々が技術の発展と普及の適切な順序と考えているようなもの」があります。

発展途上国では、このような「通信技術の普及のイメージ」とは大きく異なる通信技術の普及が起きていることがあります。固定回線は整備されておらず、電話回線どころか電気すら来ていない家もまだ多い。にもかかわらず、4Gや5Gの通信網の整備が進められており、スマートフォンが普及して盛んに利用されているようなことがあります。

固定電話の整備など本来先に行われているように思えることを飛ばして、すなわちカエルがジャンプするように一足飛びに「新しい技術」が普及してしまっています。我々と同じくスマートフォン時代が到来しているわけですが、普及に至る経緯が大幅に異なっています。このような現象や状況を「リープフロッグ現象」と呼びます。

キャッシュレス決済での例

一足飛びどころか、先進国よりもむしろ先進的に思えるIT活用が実現していることもあります。アフリカで利用されている「エムペサ」が、そのような例としてよく知られています。

エムペサ(M-PESA)はアフリカのケニアで始まったモバイル端末による電子決済サービスです。スマートフォンだけで簡単に決済や送金を行うことができます。利用者はM-Pesaの代理店に行って現金を入金すれば利用可能になり、スマートフォンでSMSを送信するなど簡単な操作で送金や買い物の決済をすることができ、送金手数料も低いことからケニアでは現金に変わってエムペサが広く使われるようになりました。

エムペサは2007年に開発され利用開始されており、お金に関する基本的な社会インフラ(現金を安心して利用できる状況や、銀行窓口やATMの整備など)すら十分に整備されていないような状況から、一足飛びにモバイル端末で手軽にデジタル決済が行われる状況となったため、途上国でのデジタル変革(DX)の成功例として広く知られるようになりました。

我々からするととても不思議な状況で、固定回線や電気そのものすら十分していない地域も多くあるような「遅れている」状況なのに、広くスマートフォンが利用され、国家の全土でモバイル電子マネーでの決済や送金が普及していることから、むしろ「先進国よりも未来的に思える状況」が実現されているわけです。

他にも生体認証の利用、公的機関での手続きなど社会システムのIT化などの分野において、同様に「先進国よりも先んじた普及が起こっている」現象がみられることがあります。

リープフロッグ現象が起こる理由

驚くべき現象ではないかと思います。「リープフロッグ現象」と名前が付けられている理由は解っていただけたと思います。では、「どうして」このようなことが起こるのでしょうか。リープフロッグ現象が発展途上国で発生しやすいのは、まさに「発展途上だから」であると考えられています。

現金で決済や支払いができる社会インフラが整備されてそれで不自由がなければ、新しいサービスが登場しても利用する動機が生まれにくくなります。また、固定回線網が整備されていない状況ならば、モバイル回線は固定回線との競争にさらされずに利用拡大を見込めることになります。

また、既存の技術が社会に行きわたらず利用されていなければ、政府による規制なども十分に行われておらず新しいことに取り組みやすいことがあります。例えば、日本で「お金に関連したサービス」を何か思いついたとしても、許認可を得ないと違法になってしまうので着手が難しいことになりがちです。一方で、法律がまだ整備されていない(法律による国民の保護がまだ行き届いていない)国ではそのような問題は起こりにくくなります。

つまり「遅れている」ことがプラスに作用することがあるのです。

我々にとってのリープフロッグ現象を考える

あるいはそのように考えるなら、リープフロッグ現象は「遅れていることが強みになりうるメカニズムと、その実例」だとみなせるように思います。また、そのような本質を考えることで、発展途上国の理解のみならず、我々自身の未来にとって参考になることがあります。

かつては日本、多くの分野で世界をリードしていて発展していた時期がありました。しかし今ではすっかり当時のような勢いはなくなってしまいました。ITにおいても、日本は「遅れている」ことが話題になることが多いと思います。皆さんが属されている分野ではどうでしょうか。

例えば「日本のクラウドは大変遅れている」という話題になったらどうでしょう。きちんと考えるなら「日本はクラウドではもう無理である」と考えがちで、勝てないクラウドは諦めて「選択と集中をすべきだ」として自主的に撤退して分野を諦めるようなことが行われがちではないでしょうか。あるいは、きちんと考えずに日本は逆転するんだと言っているけれども、現実を無視した精神論だけの計画になっているだけだとか、そんなことになりがちではないでしょうか。

しかしながらケニアでのエムペサの例、アフリカでデジタルマネーなんで無理だとは考えませんでしたし、遅れていることを解消して先進国に「追いつこう」ともしませんでした、そのどちらでもありませんでした。

  • 「アフリカでもできることがある」のなら、遅れている我々もリープフロッグ現象を引き起こして、ジャンプして先に進めるのではないか
  • 我々が十分に勝っていると思っている分野でも、他国がリープフロッグしてきて一気に追い抜かれるかもしれない

逆に、「もうダメだ」と思われている領域にこそ「既存のしがらみ」が無くなっていて、遅れていることをプラスに行かせる状況が生まれているかもしれません。もしそうなら、難しいと思える状況でこそカエルの大ジャンプが起こせるかもしれません。

レガシーITでの例

ITシステムを例に「遅れていてもうダメだ」と思える状況から一気に追いつける場合があることを紹介します。

レガシーシステム」と呼ばれたりするITシステムが日本にはまだ多くあります。昔に開発されてそのままになっているITシステムが、今なお現役であることは、日本のITは遅れているとして問題にされることがあります。

典型的には、その昔に作られて今なおしっかりと稼動を続けている、COBOLで開発されているメインフレームのシステムがレガシーシステムの代表例です。そこまで古い技術ではなくても、開発されてから時間が経っていて似た状況になっていることは良くあると思います。

そんなシステムは廃止しなければいけない、という論も広くありますが、現実にはいろいろ事情があって難しいこともあります。廃止すべきだ論に乗っかって、例えばパッケージソフトウェアとかクラウドサービスに一気に移行しようとして業務が廻らなくなった、のような大失敗も現実に起こっています。

発想を変える

考え方を変えてみましょう、今なお稼動を続けているシステムとは「今なお立派に活躍しているシステム」だと考えることだってできるはずです。ならば、建設的に残すことはできないでしょうか。この観点で考えるなら「システムを新しくする」ことが自己目的化していたのではないか、と考えることすらできます。

問題点は何もないのでしょうか、残念ながらそうではありません。安定稼働しているメインフレームの問題点は、新しいITに対応していないことが主要な課題なはずです。こちらの課題は何とかしなければいけません。

ならば既存システムは良い形で温存し、一足飛びに「今風のクラウド」を別途導入してしまうことは出来ないでしょうか。例えば、kintoneやSalesforceを別途新規導入することはそんなに難しくないはずです。その上で、「メインフレームとkintoneをシステム連携させる」とどうなるでしょうか。旧世代のシステムの良さを温存したまま、2020年のクラウド時代の新しいITのメリットを享受できる環境が、一足飛びに実現しませんか?

その大ジャンプを実現する手段、「つなぐ」技術

「既にあるシステム」に「最新のIT」を連携することでの大逆転は、kintoneやSalesforceを活用したいのみならず、「機械学習を活用したい」とか、「生成AIを使いたい」など、多くの状況で活用することができる考え方です。

しかしそのためには、システムやデータを「業務を支えられるレベル」でしっかりと連携できることが必要になります。次はその部分はどうやって作るのかが問題になります。十分なエンジニアを確保できるなら、システムは古いままになっていない。そんな実力のあるエンジニアは何処にいるんですか?と思えるかもしれません。しかしながら、良い解決策が存在します。「つなぐ」技術の活用です。

「つなぐ」技術を活用ください

多種多様なシステムやクラウド上にあるデータに連携し、必要に応じでデータを読み取り、加工し、転送処理を行い、データ環境を整備する取り組みを、「GUIだけ」で効率的に開発できる手段が存在します。EAI」や「ETL」、「iPaaS」と呼ばれる、「DataSpider」や「HULFT Square」などの「つなぐ」技術です。

GUIだけで利用できる

通常のプログラミングのようにコードを書く必要がありません。GUI上でアイコンを配置し設定をすることで、多種多様なシステムやデータ、クラウドサービスへの連携処理を実現できます。

例えば紹介した「AS/400などのメインフレーム」と「kintone」との連携例では、DataSpiderは、COBOLエンジニアなら全く問題なく使いこなせることがほとんどです。kintoneやSalesforceが業務の現場自身で使いこなせるように作られていることと併せて、「クラウド化を実現したのみならず、既存の人員での内製化」まで実現する道が開かれます。

「GUIで開発できる」ことは長所でもある

GUIだけでのノーコード開発は、本格的なプログラミングに対して簡易で妥協的な印象を受けるかもしれません。しかしながら、GUIだけで開発できることは「業務の現場の担当者が自分たち自身で主体的にクラウド連携に取り組む」ことを可能にします。ビジネスのことを一番良くわかっているのは現場の担当者です。

本格的処理を実装できる

「GUIだけで開発できる」ことを謳っている製品は沢山ありますが、そういう製品に簡易で悪い印象を持っている人もおられるかもしれません。

確かに、「簡単に作れるが簡易なことしかできない」「本格的処理を実行しようとしたら処理できずに落ちてしまった」「業務を支えられるだけの高い信頼性や安定稼働能力がなくて大変なことになってしまった」ようなことは起こりがちです。

「DataSpider」や「HULFT Square」は、簡単に使うこともできますが本格的プログラミングと同等のレベルの処理の作りこみもできます。内部的にJavaに変換されて実行されるなど本格的プログラミングと同様の高い処理能力があり、長年にわたって企業ITを支えてきた実績もあります。「GUIだけ」の良さと、本格的能力の両方を兼ね備えています。

iPaaSなので自社運用不要

DataSpiderなら自社管理下のシステムでしっかりと運用できます。クラウドサービス(iPaaS)のHULFT Squareなら、このような「つなぐ」技術そのもの自体もクラウドサービスとして自社運用不要で利用でき、自社での導入やシステム運用の手間がなく利用できます。

関係するキーワード(さらに理解するために)

データ連携やシステム連携に関係するキーワード

  • EAI
    • システム間をデータ連携して「つなぐ」考え方で、様々なデータやシステムを自在につなぐ手段です。IT利活用をうまく進める考え方として、クラウド時代になるずっと前から、活躍してきた考え方です。
  • ETL
    • 昨今盛んに取り組まれているデータ活用の取り組みでは、データの分析作業そのものではなく、オンプレミスからクラウドまで、あちこちに散在するデータを集めてくる作業や前処理が実作業の大半を占めます。そのような処理を効率的に実現する手段です。
  • iPaaS
    • 様々なクラウドを外部のシステムやデータと、GUI上での操作だけで「つなぐ」クラウドサービスのことをiPaaSと呼びます。

「iPaaS」や「つなぐ」技術に興味がありますか?

オンプレミスにあるITシステムからクラウドサービスまで、様々なデータやシステムを自在に連携し、IT利活用をうまく成功させる製品を実際に試してみてください。

「つなぐ」ツールの決定版、データ連携ソフトウェア「DataSpider」および、データ連携プラットフォーム「HULFT Square」

当社で開発販売しているデータ連携ツール「DataSpider」は長年の実績がある「つなぐ」ツールです。データ連携プラットフォーム「HULFT Square」はDataSpiderの技術を用いて開発された「つなぐ」クラウドサービスです。

通常のプログラミングのようにコードを書くこと無くGUIだけ(ノーコード)で開発できるので、自社のビジネスをよく理解している業務の現場が自ら活用に取り組めることも特徴です。

DataSpider / HULFT Squareの「つなぐ」技術を試してみてください:

簡易な連携ツールならば世の中に多くありますが、GUIだけで利用でき、プログラマではなくても十分に使える使いやすさをもちつつ、「高い開発生産性」「業務の基盤(プロフェッショナルユース)を担えるだけの本格的な性能」を備えています。

IT利活用の成功を妨げている「バラバラになったシステムやデータをつなぐ」問題をスムーズに解決することができます。無料体験版や、無償で実際使ってみることができるハンズオンも定期開催しておりますので、ぜひ一度お試しいただけますと幸いです。


「HULFT Square」で貴社のビジネスが変えられるか「PoC」をしてみませんか:

貴社のビジネスで「つなぐ」がどう活用できるのか、データ連携を用いた課題解決の実現可能性や得られる効果検証を行ってみませんか?

  • SaaSとのデータ連携を自動化したいが、その実現可能性を確認したい
  • データ利活用に向けて進めたいがシステム連携に課題がある
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